印象は“濃い緑色のスズメ”

暑さを避けるため、前回は渓流で涼みながらの贅沢なバードウォッチングをお勧め致しました。
8〜9月も暑さは厳しいですが、体はだいぶ気温に慣れてきたと思いますので、効率よく野鳥のいる場所を訪ねて新しい種類との出会いをして楽しんでいただきたいと思います。
今回紹介する鳥は、身近な野鳥の一つ、カワラヒワです。


スズメほどの大きさで、全身がほぼ濃い緑色で、翼の一部に黄色い帯状の模様があるのが特徴です。
「こんな鳥は見たことがないけれど、本当に身近にいるの?」なんて聞かれることもしばしばですが、形がスズメによく似ているので、見過ごされてしまっていることが多い種類です。


まず電線に止まっている姿を探そう

カワラヒワは、ごく普通にいる鳥です。図鑑を見ると濃い緑色のきれいな色ですが、昼間の強い陽射しなど光の条件があまり良くないときは、ほとんど黒に見えることあります。


そのため、お勧めするのは涼しい早朝に自宅の近くの電線を探して歩くこと。光が横からあたる時間ですので、鳥を見つけたら順光向きにまわってとてもきれいに見えます。

注)お腹の羽毛が広がっているため、翼の黄色い部分がこの鳥では見えていません

住宅地などの街路樹やちょっとした並木などがある場所にある上段の電線に、ちょこんと止まっている姿を、きっと見つけることができるでしょう。



スズメかもしれない…と思ったときは、以下の2点に注目すれば見分けることができます。まず一点目は、尾羽の先端部分。カワラヒワの尾羽の先端は、真ん中が深くへこんでいます。


スズメにも時々へこんでいるものがいますが、カワラヒワほどはへこんでいません。

二点目は、飛んだときに翼の黄色い部分が帯状に広がること。


順光であれば黄色く見えますが、頭上を通過するときなどは黄色く見えずにその部分が“透けている”ように見えます。  始めのうちは電線に止まっている小鳥を見つけたとき、すぐに「あれはカワラヒワだ」という認識をするよりも、「よく知っているスズメとは違うかも」という直感を大事にしながら識別していくとよいでしょう。


もし2羽のカワラヒワが並んでいて、色の違いを確認できる好条件だった場合は、雄と雌の識別にも挑戦してみましょう。



頭の緑色の濃いのが雄(写真左)で、薄いのが雌(写真右)です。


名前の通り、河原も探してみよう

もし自宅の近所でカワラヒワが見つけられなかったら、名前にある“河原”に行ってみましょう。草の種を好んで食べる鳥ですので、ちょっと大きめの川の堤防上に草がたくさん生えているような環境があれば最適です。いざ危険が迫ったときに避難できるような高い木(特にマツのような針葉樹)がそばにあるような場所を、より好むようです。


道路脇や砂利道の上など、地面が見える場所をピョンピョンと歩きながら草の種を探す姿が見られるでしょう。



ヒマワリを探して歩いてみよう

カワラヒワが、どうしても見つからない…という方には、ヒマワリを探して歩くという方法があります。先ほど草の種を好んで食べると書きましたが、夏の間はヒマワリの種なども好んで食べています。最近は小さい花をたくさんつけるものもあって、一見ヒマワリっぽくないものもありますが、彼らはめざとく見つけてやってきています。


民家の庭先にあるものにもやってくることはありますが、市民農園のような場所に植えられているものを、人の往来の少ない時間を見計らって来ていることが多いようです。ヒマワリからちょっと離れてしばらく静かに待っていれば、きっとやってきてくれるでしょう。




タンポポの種も大好物

ヒマワリが近所にないという方は、タンポポがたくさん生えている場所を探してみてください。タンポポは公園の広場やグラウンドの脇などにごく普通に生えています。カワラヒワはタンポポの種も大好物で、地面におりて食べている姿をよく見かけます。



ヒマワリのときと同様に、人の気配が少ない時間に行ってカワラヒワの姿がないか、探してみましょう。


鳥のいそうな雰囲気”を感じることの大切さ

鳥を探すのに、花や種に注目する人は少ないのですが、鳥は鳥だけで生きているわけではないので、自然環境とのつながり、特に食べ物に注目していくことを続けていくと“目的の鳥のいそうな雰囲気”を感じ取れるようになります。
バードウォッチングの上達は、常に鳥を観察した環境もセットで注目する習慣をつけることで、格段に早くなります。最初のうちはちょっと難しいかもしれませんが、まずはカワラヒワでしっかりその習慣を身につけるとよいと思います。
例えば、河原で松の木によくやってくるカワラヒワを見た経験をしていると、公園などでマツを見つけることで「カワラヒワがいるかもしれない」という予測をできるようになります。


初心者の方が、よく野鳥観察のベテランの方とバードウォッチングに行くと「どうしてそんなにたくさん鳥を見つけられるのか」と不思議に思うことが多いと思いますが、実は“見つけている”というよりも、“その場の環境から鳥を予測して、その鳥の好む場所を探している”といったほうが良いと思います。
ヒマワリやタンポポに頼らなくても、きっとカワラヒワとの出会いをいつでも楽しめる日が来ます。ヒントは『電線の高いところに止まることが好き』ということ。いろんな木のてっぺんにカワラヒワの姿がないか、チェックしてみてください。
きっとたくさんの場所で、カワラヒワとのデートができますよ。




クリックするとカワラヒワが見えます
クリックするとカワラヒワが見えます



撮影地:神奈川県(開成町、中井町、藤沢市)埼玉県(入間市、坂戸市)、新潟県(佐渡市)北海道(苫小牧市、根室市)


お勧め機種:カワラヒワは身近な野鳥ですので、持ち歩きやすい小さなサイズの双眼鏡で十分楽しむことができます。一度木の上に止まると比較的そこにとどまる鳥ですので、河原などの視界の広い場所ならば初心者の方でもスコープで観察できる機会が多いと思います。
10倍の双眼鏡を使って、じっくり観察しましょう。

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